vol.4株式会社ソウエクスペリエンス代表取締役 西村琢氏 

g862007-10-15

今回は、モノではなく経験を贈ることができる「体験型ギフト」を販売している株式会社ソウエクスペリエンス代表取締役の西村琢氏へのインタビューをUPします。以前interview vol.1にて株式会社オージャスト代表取締役の金功勇氏に「経験経済」という時代認識について伺いました。そして金氏から株式会社ソウエクスペリエンスの西村氏を御紹介頂きました。
西村琢氏profile
慶應義塾大学経済学部卒業
2005年5月ソウエクスペリエンス株式会社を設立、代表取締役に就任
TAK NISHIMURA BLOG


インタビュー内容

「経験経済について」
小林—ソウエクスペリエンスでは経験を贈るということをしているんですよね?
西村氏—ウチの事業内容というのはいろんな体験をギフトっていうパッケージにして販売しています。その中にあるのは、キャニオニングとか乗馬とか陶芸とかいろいろあるんだけど、僕らの中ではモノも全然売っていいなとも思っています。でもモノもモノとして売るんじゃなくて、例えば車を売る場合でも車そのものが欲しいっていうよりも車を使って何ができるかとかに注目したい。食べ物もこれが美味しいというよりか、食べ物を囲んで話す空間が生まれることが大事だよね。じゃぁ、シン(社員の方)、経験経済について一言。笑。
シン氏—経験経済っていう言葉自体は初めて聞いたんですけど笑
西村氏—ディズニーランドとかはいい例だけど。サービスとかをさらに超えて強烈に印象に残ったり思い出に残るようなエクスペリエンスだよね。
シン氏—それが経済を回すってこと?
西村氏—今後大事になっていくんじゃない?どんどん世の中が成熟化していくじゃない。あらゆるものが同じような値段で提供されるようになっていくわけでしょう。となるとそういった中で、ディズニーランドだったり、リッツカールトンだとかああいうのがもてはやされるわけ。サービスもリッツカールトンくらい行き過ぎるとエクスペリエンスになる、みたいな。ああいうところに情報なり人なりお金なりが集まる。
シン氏—でも、それが経済の中心になりますかね?
西村氏—なるかはわからない。
シン氏—やっぱり根本的な日常の経験が何かっていうものがやっぱり皆不満なんですよ。だからそれの代替品として非日常的な経験を求めるからリッツカールトンとかっていうものがあると思うんです。でも本当はその解決策は代替品を作ることじゃないかもしれない。実際に必要とされているものをちゃんと見てそれを提供することのほうが経験経済よりは重要だと思います。
西村氏—たしかにね。ディズニーランドとかリッツカールトンとかは経験経済の中心にあるけれども、あくまで非日常だよね。それって結構アンチテーゼ的なところがあって、
鎌谷—経験経済には4E領域っていうのがあってエスケープ、エデュケーション、エステティック、エンターテイメントなんですけど、ディズニーランドやリッツカールトンはエスケープに含まれると思うんですよね。
たぶんこれからは、教育の現場にも経験経済がどんどん導入されていくと思います。
西村氏—そうだよね。キッザニアとかまさにその先例だよね。五年くらい前に初めて見たんだけど、もともとメキシコにあってさ、ウェブサイトとか見たら感動したね。なんだこれはってびっくりした。
シン氏—教育の現場に経験経済っていうものを持ち込もうってこと?
鎌谷氏—というのもありますし、経験をいろいろ売ることで積極的に顧客に学ばそうっていう積極的な意識とか、キッザニアも相手が勝手に学ぼうとしてくれるという積極性が生まれている。そういったことが今後あると思います。
熊沢氏(社員の方)−経験経済の話とずれちゃうかもしれないけど、某大手広告代理店は、広告代理店って商品というかモノがあってさ、そのプロモーションをかけるのが仕事じゃん。CMの認知度を上げるとか露出度を上げるとか差別化要因を訴求するっていうのが今までの主な仕事だった。でも最近ではその商品とお客さんとの関わり方っていうのをコアエクスペリエンスていうんだけど、今彼らはその人たちはどうやってその商品と関わっていくかとか、生活の中にどうその商品が入ってくるのかとか、何かコアな体験があるからそこにプロダクトがあるはずだって考えていて、そこを訴求しなくちゃいけないんだっていう動き方をしている。
山道—それも経験経済ですよね。
熊沢氏—だよね。そういう意味では日常/非日常とか関係なくその経験を売っていくっていう考え方が浸透してきていると思う。
西村氏—そういう風にしないとあまりにも、いろんな広告もそうだしさ、あらゆる商品やサービスがもう多すぎるんだよね。もう本当に多くてさ、もうどんなに広告を出しても効かないんだよね。だから違う方法を探しましょうと。そのなかの有力なものが経験経済で、いい思いをさせたりとか忘れられない体験をさせたりとか。ウチの会社は、新聞とかテレビとかメディアに結構出るんだけど、でもあんま売れなかったりするのね。ウチは広告としてお金を出してるわけじゃないからまだいいんだけど。何百万とか何千万円とか使って新聞広告とか出そうと思わないよね。効かないだろなと思ってしまう。松下電器がさ、ナショナルっていうブランドでファンヒーターを出しててあれが一酸化炭素で問題になったじゃない?
g86−ありましたね。
西村氏—あれでしばらくずっとテレビCMも「回収します」っていうやつに切れ変えてたじゃん。意外な結果が出たんだけど、半年くらいあの広告に変えてたんだけど、でも結論としては売り上げは変わらなかったんだよね。
g86−えぇ。
小林—逆に評価してる人がいるかもしれない。
西村氏—そういうのもあるかもしれないね。つまり新商品の宣伝をしていなかったのにも関わらず売り上げは落ちなかった、っていうことに気付いちゃったんだよね。広告って基本的に出し続けないと売れなくなっちゃうんじゃないかって切迫感があるからさ、ずっと出し続けるもんなんだけどさ。でもそういう出せない状況になって初めて出さなくても大丈夫だったと、気付いちゃったんだよね。それは広告業界の中でもあんまり知られてないみたいだけど笑。ホントは広告効かないんじゃない?あんま意味ないんじゃない?っていう話がこれからどんどん出てくると思う。
鎌谷—「経験経済」という本の中にロードオブザリングの例があって、上映される前の広告戦術としてサイトでゲームを体験させたりとか、いろんなところにオフィシャルサイトのリンクを張らせて波及させるとかそういった広告戦略を練って、経験的になっています。それで上手くいったらしい。
西村氏—そういうのは実際増えてきてるよね。
山道—金さんがおっしゃっていたことなんですが、今は情報が凄い溢れていてそれを享受するかどうかはユーザーが取捨選択するから他のほとんどの情報は流れてしまう、よってこれからはその人自身の器を変えなければならないと。「経験経済」を読むと“経験”の次のフェーズで“変革”というものがあって、ソウエクスペリエンスの事業も体験を提供することですけど、それらによって導き出される変革が非常に重要だと思います。
西村氏—体験すると人格変わるからね笑。一方で、例えばさグーグルとか凄く伸びてるじゃん。でも経験経済的なところって全く無いよね。そういう企業もあるんだよね。
鎌谷—ネットの世界ではサービスがコモディティー化していく。それはグーグルの影響だとも思えるんですが、
西村氏—そういうのがどんどん整備されていくから一方で経験経済の価値が出てくるのかもね。

「経験経済を実践する」
鎌谷—今は“ギフト”の提供する体験というのはそれぞれ場所が異なりますが、“ギフト”が体験をする場所になっていくとか考えられると思うのですが。
西村氏—実はあんまりギフトにこだわってないんだよね。エクスペリエンスにはこだわっているというかエクスペリエンス屋になりたいっていうのはあるんだけど経験経済の文脈に置くとわかりやすいのかもしれないけど、もう情報なりなんなりはいいでしょ面白い体験しようよみたいな思いが強い。こういう会社経営もそうだけど、楽しくいろいろやっていきたいっていうのがあって、自分達が実践者でありつつ、ちょっと傲慢な言い方をすれば御裾分けして行きたいなと。
g86−なるほど。
西村氏—自分達が楽しいことをしつつ、それらを商品なりサービスとして提供していきたいなと。っていうのはどんな形でもよくて、まずはギフトっていう形をとったんだけどね。今、ウチラ月に一回イベントをやっているのね。30人くらいのイベントなんだけど。例えば次回はレゴで遊ぼうとか笑。ほんとにくだらないんだけどすごく面白いんだよね笑。レゴもちょっと大人数で集まってちょっと工夫してやると凄く面白くなるんだよね。ギフトっていうのは一番の切り口なんだけどそこにこだわってるわけじゃなくてなんでもいいんだよね。旅行業務かもしれないし。もしかしたら温泉街の再生事業とかやるかもしれないし。
鎌谷—とにかくエクスペリンス屋になりたいと。
西村氏—そうだね。やっていることは全然違うかもしれないけど、そういう気持ちを持ちつつやって行きたいなと。例えばwikiとかもそうで、あれだけ見ればただのアプリケーションだけど、でもあれを使うと生活とか働き方が変わったりするよね。僕らはそういうことに注目している。まず仕事がどこでも出来るようになるよね。全部情報はネット上にあって、どこからでもアクセス出来てさ、どの作業をやるべきでどこまで詰めるべきかってわかるよね。今この瞬間はここに集まっているけれど別に来なくてもいいわけだし。っていう風に働き方が変わったりさ。あとは会社のスタッフ全員がお互いが今どういう仕事をしているのかを把握できたりとか。働き方とかひいては生き方とかまで変わるかもしれない。
小林—ひとりひとりどこでも働ける状況だけど、このオフィスが皆さんにとって凄い楽しそうな状況のように僕らは感じています。
西村氏—そこが面白いよね。どこでも働ける状況だけど何故か皆、朝ここに来て夕方までここにいて帰っていくんだよね。それはなんでかわからないんだけど来るんだよね笑。
小林—まさにここでの経験という感じですね。
西村氏—そうだよね。やっぱり人が集まっていると、それが人を呼び集めるしさ。
鎌谷—この社風が羨ましいです笑。
西村氏—いいでしょ!笑。
小林—社長はご自身でキャニオニングとか経験しに行くじゃないですか。そういうのがいいですよね。ちゃんと自分達が経験しているからビジネスとして進められる。
西村氏—自信を持って提供して行きたいですよね。

「見えないもの」
西村氏—多くの会社がさ何故か皆急成長をしたがるんだよね。人を一気に増やしたりとかお金をつぎ込んだりしてさ。売り上げも利益も伸びるから良いと思うんだけど。でもそれでいろんなものを犠牲にしている気がする。僕らみたいにちょっとづつちょっとづつやっていくのもいいと思うんだよね。
小林—見えるもの見えないものっていうのがある気がします。ある意味、経験だとか、こういう社風だとかはあんまり見えないじゃないですか。数字とかだとすごい見やすいからそっちに目が行ってしまうと思います。
西村氏—そうだよね。僕らは大海原を漂流しているような感じ。
小林—方向だけは決めて?
西村氏—そう。なんとなく方向は決めて。方向っていうほどでも無いんだけど、こんなことしたいよねっていうゆるいコンセンサスみたいなものは決めて。そういう価値観みたいなものをベースに持っているだけで、あとはまさに漂流。

「東京のシンボル」
鎌谷—西村さんから見る東京のシンボルってなんだと思いますか?
西村氏—シンボル。東京のシンボル。。。
小林—僕らが最初にインタビューをした金さん(interview vol.1参照)は無いと話してました。
山道—無いけど、今はミッドタウンかなぁとも話してましたね。どんどん更新されてしまうからシンボルが定着しずらいと。数年前は六本木ヒルズだと思って、その近くにオフィスを借りたら気付いたらすぐ近くにミッドタウンが出来たり。
では西村さんが東京にオフィスを構えた理由ってありますか?
西村氏—まずは自分が生活しているからっていうのもあるし、選択肢として東京以外を考えたことが無かったな。あたりまえだと思ってましたね。たしかに、改めて聞かれると不思議だね。
鎌谷—ベンチャーだとヒルズを目指されてる方も多いと思いますがどうですか?
西村氏—絶対シンボルだとは思うんだけどね。。。
小林—でも、ソウエクスペリエンスがヒルズに入ってるのを想像したら、面白いですね笑。あのカッチリした雰囲気の中を、ラフな方々が入っていくのは面白いなと笑。
山道—ソウエクスペリエンスはすごく“渋谷的”ですよね。オフィスも“渋谷的空間”。
西村氏—そうだよね笑。ヒルズとかはね、特になんとも思わないんだけど、なんかこう、建物自体は結構格好いいとは思うのね。でもいろんな文脈を持っているというか例えばいろんな事件があったりいろんな意味でシンボルになりすぎてると思う。それが嫌なんだよね。“あそこに入っている=上場”とかさ“セレブ”とかさ、ヒルズに入ってることで「あぁ、ああいう人なんだね」と思われてしまうというか、意味が生じすぎる。
山道—それはさっきおっしゃっていた数字よりも見えない部分に興味があるということに通じますね。
西村氏—そう。たぶん調べてみればわかるけどヒルズに入居しているほとんどの企業が数字目標持っていると思うんだよね。個人個人誰もがあると思う。だから、そこに入るとそれに追われるわけでしょう。結局僕らはそれらとは全く逆のことを実践しているし、そういう文脈で語られてしまうのは一番避けたいよね。

「これまでとこれからについて」
山道—西村さんがソウエクスペリエンス設立に至るまでのお話を聞かせてください。
西村氏—いろんな意味で起点となったのはね、高三くらいで株式投資を始めたのね。ちょうどITバブルとかがあってなんとなく興味があって始めたんだけど。高校生で株式投資するって結構刺激的な体験だったのね。で大学に入って投資クラブというものを作ったのね。投資クラブという名のもとにいろんなことをやっていた。こういう風にインタビューもいっぱい行ったしイベントもやってみたりしたし。で自分でいろいろやっていくことの面白さに気付いた。実際、初めて、投資クラブっていうのを僕らが作ってから全国の他の大学にもすごく増えたのね。全国で何百団体にまで増えてさ。最初は七人でやっていたのに例えばそれがメディアに取り上げられたりしていろいろ発信をしていくとたくさんの人が連絡をくれたりした。たった七人でやっていて、別にフルタイムで働いていたわけではないけど、ただ楽しいからやっていただけなんだけどそれが何故か広がっていったりするダイナミズムがあった。そういうのをやっていくとチャレンジ精神みたいなものが沸いてきちゃうんだよね笑。いろいろ出来るんじゃないかなぁとか。で会社を起こしたいと思うようになってきた。就職活動とかしてたんだけど、丁度その時に松下電器が学生向けのビジネスプランコンテストをやって、それに参加したら運良く優勝できたのね。で松下電器が出資をして会社をやりましょうって話になった。それで卒業して一年松下電器に雇ってもらってどんな事業を出資してもらった上でやるかとか考えていたんだけど結局松下電器とも意向が変わって。最初はどんな事業プランでもいいからやってみなよって話だったけれど松下電器の事業領域と遠いと上手くいかないってのもわかってきて僕らが提案したのもまさにそういうことだった。それで松下電器はあまりやりたくなくなったみたいで僕らも一方でその頃テレビとか新聞とかに出てさ、ネットワークが出来てきてその中で悪い人もいれば良い人もいたわけ。で良い人っていうのは今の株主になっているのだけど。松下電器という大企業から何千万円という大きいお金を出してもらって雇われ経営者としてやるよりはさ、もっと自分でちょっとづつ頭を下げてお金を出してもらって、ちょうど仲間もいっぱいいたからね。ちょうどその頃プランを考えていたときに今の事業内容も固まってて。プランもあったし仲間もいたしお金も集められたし、ここまで来たからやろうという感じで始まった。
山道—ビジネスコンテストの応募プランも経験を供給するというテーマだったんですか?
西村氏—そうです。事業内容は違うけど。カートってあるでしょう。マリオカートのカート。あれの本物のできる場所がいくつかあるんだけど、あれってすごく面白いんだけど廃れてるのね笑。なんでこういったミスマッチが起きてるのかって疑問に思ったのね。面白いのにお客さんが来ないっていう。何かしら見せ方が悪いのかとか何か原因があるんじゃないかと思って。それの再生事業プランを提案したのね。簡単に言うとイベント屋なんだけど。そのころはそれを必死でやっていてさ、結局はやらなかったんだけど、振り返ると今の事業と一本の軸があるのかなと思う。
山道—イベントに注目するようになった理由って何かありますか?
西村氏—面白い体験というか刺激的な体験ってやはり大事でさ、それはカートかもしれないしキャニオニングかもしれないし他の僕らが提供しているメニューかもしれないけれど。それは大事だと。でもそれより大事なことがあって面白い体験というか刺激的な体験が当たり前になるべきだと考えている。面白い状態ってあるでしょう。それはもしかしたら普段そこらへんを歩いている多くの人はあまりわからないかもしれないけど面白い状態ってたくさんあるわけじゃん。その面白い状態っていうのは日常もそうであるべきだと思うんだよね。そういうことに気付いて欲しいという思いがすごく強い。実際この場もそうなんだよね。いろんな人が来たり、話をしたり。僕の中ではこういう日常はカートとかキャニオニングとかとイコールで面白いことなのね。でもさ、こういう生活を皆もしましょうと言っても、それは無理な話でしょう。ちょっと強引な手段ではあるかもしれないけどビジネスとか商品とかサービスという形で提供していって、そういう風にちょっとでも近づけたいなという気持ちはある。それがいろんな意味でモチベーションになっている。
鎌谷—経験経済の“変革”もそうですが、ビジネスの上で経験させて、顧客を変革させて、そういった意味での面白みに気付かせていくという活動はありえますよね。
西村氏—そうだよね。
小林—体験された方とそのあとやりとりとかはしますか?
西村氏—あんまりないんだよね。それが俺らのギフト事業の弱みだったんだよね。触れ合う場所が無くてさなんか寂しいなと思い始めた。それで月一回のイベントを始めた。ギフトを買ってくれた人も、そもそもネットで買うから会ってないのね。さらにそれがプレゼントされて使ってくれる人は僕らからすればもう遠い存在なのね。誰かわからない。本当に喜んでくれてるかもわからない。だからとりあえずシンプルに僕らが面白いと思うものを提供するよと、それでそれに参加したい人来いよみたいな感じで小規模のイベントを始めた。少し前にシルバーアクセサリーを作ろうっていうイベントをしてさ、20人くらいの人が参加してくれて実際に作って、で次の別のイベントにも来てくれた人がいたんだけどその時に前に作ったアクセサリーを着けてきた人がいて、そういうのを見ると嬉しいよね。それって何かしらその人の頭の中に変化が生まれてるわけでしょう。基本的にあらゆるものは買って使うわけじゃん。でも自分で作ったそれを身に着けるっていいよね。また世の中の見方が変わったりとかさ。“楽天”でささっと買って終わりって簡単だよね。寂しいというか。でもあえて時間をかけて作るっていうのも会話があったり空気があったり“豊かさ”ってそういうことだと思うんだよね。
鎌谷—ネット事業の展開って考えてますか?
西村氏—どうだろうね。今のところこういうネットサービスをやりたいっていうのは無いなぁ。
山道—ヴァーチャルな部分とリアルな部分を上手く架橋することが出来れば経験としてより強度あるものになると思います。また、ネットの強みって情報が非常にオープンでスピードも速いし、そのインフラをきちんと用意できれば多様な経験をもっとスムーズに供給することが可能になると思います。今までの時代がyoutubeとかmixiとかインフラを整える時代だったと思うんですけど、これからはそのインフラの上にそれぞれの人の多様なライフスタイルが生まれてくる時代だと思います。
西村氏—そうだよね。例えばmixiとかでさ、ウチの持っている体験メニューとかと繋げられるなと思ったのね。やってみたいけど一緒に行く相手がいないとかっていう人がいると思うんだよね。だからこれをやってみたいっていうユーザーがコミュニティーなり立ち上げてそれに合致する人が集まったら連絡が来たりだとかそういうシステムが出来ればより一層コミュニケーションツールとして面白いよね。
山道—模索中という感じですね。では最後にこれからの野望をお聞かせください。
西村氏—野望ないんだよね笑。良い会社と良い家族を作りたい笑。例えばこの会社もすごい世の中に影響力があるんだけど依然としてのんびりとした雰囲気だったり、
小林—影響力があるっていうのは、変革を起こすことができるということですね。
西村氏—そういうことが出来る集団だと期待されたいですね。
g86—なるほど。今日はお忙しいところありがとうございました。
西村氏—いえいえ、また遊びに来てください。