非線形テレフォンショッキング

我々は、取材を続けていく中でインタビュイーに次のインタビュイーを一人紹介してもらうという、タモリさんの“テレフォンショッキング”のようなごくごくシンプルな線形のプロセスを踏む。スタート地点は5人程度だったが、インタビューをしてそれぞれのラインで紹介してもらい数珠つなぎをしていくと、インタビュー済の人とこれからインタビューをする人のリストは現時点で合計20人弱まで膨らんだ。ここまでは足し算だから当たり前である。
インタビューを本格的に始めて今日で一週間。このラインの束の中で不思議なことが起こりはじめた。

スタート地点が異なるライン同士の
ある人とある人が学部時代のクラスメイトだとわかる。
ある人とある人がビジネスパートナーであるとわかる。
ある人とある人が合コン仲間だとわかる笑。
ある人とある人が親戚(!)だとわかるetc

たった20人弱でこれだけ繋がるとはさすがに驚く。さすがに親戚はびっくりする笑。
この人たちはラインが異なるので僕らにとっては一見全く関係が無い人同士だ。ネットワーク系の入門書等でよく出てくる6degreeというよく知られたお話がある。これは世界中の誰とでも6人辿ればつながるというものだが、2007年現在のネットワーク理論は6次より小さいんじゃないかと思う笑。この驚くべき話について、ソニーの豊島さんにメールで送るとダニエル・ゴールマンの『EQが好業績リーダーを作る』という本の引用を絡めて即座に応答してくれる。(タイムレスにやり取り出来るのもネットワーク:webの性質でもある。)豊島氏曰く、社会の優れた人間は無意識のうちにネットワークを築いているとのこと。
興味深いので引用部分も以下に載せます。「社会的技術の優れた人には知人が多い傾向があり、あらゆるタイプの人と見解の一致を見出すコツ、つまり調和した関係を築くコツを知っている。いつでも社交的な催しに参加しているという意味ではなく、重要な事柄はひとりでは達成できないという前提で仕事をしているのだ。このような人は、必要になった時に活用すべきネットワークを持っている。・・・(中略)・・・しかし時に、社会的技術はEQの他の因子とは違ったかたちで表れる。たとえば、社会的技術に優れた人は、仕事中でも仕事をしていないように見えることがある。廊下で同僚とおしゃべりをしたり、「本当の」仕事と関係ない人とふざけたり、怠けているように見られる。しかし、彼らは、自分から人間関係の枠を狭めても意味がないことを知っている。今のような変化の激しい時代には、今日知り合った人の助けがいつ必要になるとも限らないことを知っているから、幅広い人間関係を築いているのだ。」なるほど。我々はそれをすこし紡いだだけなのである。
ちなみに姉妹書であるダニエルゴールマンの『EQ-こころの知能指数』はかつて読んだことがあったのでEQについて簡単に説明すると、いいチームワークのためにはいわゆるIQが高くてもツンツンしてては俄然効率が悪いが、EQが高いほうがつまり気軽にコミュニケーションが取れたり尊敬し合えたりしたほうが総合的にいい結果になりますよという内容である。昔タカラかトミーからEQを鍛えるためにEQトレーナーとかいうオモチャが出てましたが笑。

線形なものが非線形のネットワークの様相を呈し始めたのは我々が知らないところで起きていたことである。
でもこのネットワークが強度を持つかどうかは我々次第である。

本を出版する時にはこのネットワークをmixiGraphのように図にして載せたいと考えている。hubやconnectorが立ち現れるかも笑。