冷静と高熱のアーキテクチャ

午後のインタビューが終わって、あまりにアドレナリンが出過ぎたのか、38℃の熱が出てしまいました。笑
そして寝ようにもアドレナリンが下がらず寝れない。笑 


今日は二件のインタビューがありました。
午前はSDレビューの編集などをやっている建築エディター・ライターの伏見佳子さんにインタビュー。
客観的でありながら、リアルタイムで様々な動きを敏感に観察されてるジャーナリスティックな視点での現状の建築や都市に対する考えは非常に新鮮で刺激的。

今回色々お話させてもらってやっぱり思ったのは、最近の建築家はジャーナリスティックな視点が欠けているんじゃないかと。空間理論がどうとか、ある社会学者がいってたレトリックを使ってみようとか、そういうある種の内向カルト的な側面は強くて、例えば、実際に都市の基盤を動かすファンドの仕組みだとか、多分野での最先端の動向だとかそういうことにはすこぶる興味が無い。そりゃやっぱり、社会からは乖離するだろうし、その反動形成でますます内にこもって「お遊戯化」してしまうのは当然のように感じる。
社会の動向を常に鋭敏に観察し貪欲に吸収しつつ、それとともにに空間、思想哲学そういった建築のラディカルな部分を鍛え、それら同士が相乗的にブラシュアップさせていく構造を作り上げることが重要だと気づく。

また、伏見さんが「赤坂で数年生活をして得られた感覚では、山の手線の内側が都心で、そこから外は郊外だ」ということをおっしゃられ、3人とも一気に興奮する。この感覚は面白いと思い、このことから東京について今の今まで火照った頭でいろいろ考えを巡らせたんですが、何かつかめそうでつかみきれない。笑

皇居(空洞)を中心とする環(内堀外堀線)、その空洞には非常にゆっくりとした「神話」の時間が流れていて、それを包含する山の手線が形成する環の内部全体には、都市を突き動かすものすごいスピードの「資本」の時間が流れている。けどその環を形成する要素は二つとも、情報、人、モノという同じもので構成され同じ速度を持っている。東京は「神話」と「資本」の相容れない時間を空間的に微妙なバランスでもって配されていてそれを保ちつつ作用させながら代謝が起こっていると。海外の都心部でも、天安門凱旋門赤の広場など環を形成している。けど海外はその「神話」と「資本」の核は同一化している。例えば、凱旋門は放射状に伸びる道があり、上述の要素が一挙に集中する場所でもある。そして観光資源である。皇居は。。。。。何か論点がずれてきたような笑  誰か助けて下さい。笑

まぁそれはともかくとして、そんなことを飄々と言ってのける伏見さんは本当に面白い楽しい方です。またSDレビューのオープニングの時にお話できればなと思います。


午後は、ファミリーマートの新業態「ファミマ!!」を仕掛けた中村雄一さんにインタビュー。まずプロジェクトを紹介してもらって驚嘆したのは中村さんのプロジェクトに対する驚異的な分析力で。一つ一つのコンテンツは一目見ただけで理解でき、納得できてしまう。あれだけの濃度が濃く、それでいて上質なリサーチには圧巻の一言。

我々のプロジェクトもそれぐらいの上質で密度の濃いリサーチにするべきだと痛感。今我々はインタビューはそれなりにこなしてきたけど、そのインタビューをアウトプットするその仕方は浅い。アウトプットの質を上げることで、次のインタビューの質を上げ、プロジェクト全体の質を底上げするという、当たり前で非常に重要なことに気づく。

また、中村さんのgoodsとしてのスタンスも僕らが現状での理想像として抱いていたものとリンクする所があり、3人とも興奮は最高潮に。フェーズゼロから、そしてハード、ソフトその双方向から、人の視点にたって徹底した分析を重ね、最終的にレベルの高いデザインを昇華させていく。そういったスタンスは理想だけど実際は組織的に確立された大企業でしか、できないんじゃないかと考えていた。(でも大企業になってしまうと、デザインはどこか荒削りになる可能性があったり)しかし中村さんはそうでなく、広尾の個人事務所からそのレベルまで介入している。この事実は、今後の我々の自信につながる。


まだこの時点で全然眠くなく、体がほてって相当だるい。笑 これは以外とやばい状態なので、もう無理矢理にでも寝ます。
おはよう。そしておやすみ。